MFG的SS「虚空の蒼玉」
第71話<ぱうだぁ>

“空間への適応”が次々と進む中、
現われたのが誰なのかも、何が起きているのかもさっぱりわからないジェイルは、またぼーっと椅子に座っていた。
リアスは消え、かわりにツバキという女性が現われ
アルテアの兄らしき人物がいて。
「・・・全く、わからん;」
ひとりごちた。
その声に反応して、数人がジェイルに目を向ける。
「・・あれ?シェインはもう回復したのですか?」
疲労の残る口調でゼロが言う。
「しかし魂魄はここに・・・」
ライトの発言に、別動隊一同は一斉にクエスチョンマークを浮かべる。
「・・・あーもう、説明するのもめんどくせぇ・・;」
ジェイルは溜息をつく。

その時、淡い青色の魂魄が動いた。
ゆっくりと漂い、ジェイルの前で止まる。
次の瞬間、何の抵抗もなく魂魄はジェイルの中に取り込まれ・・
「・・う・・!?」
彼はそのまま、机に突っ伏す。
「・・ジェイル!?どしたんや?」
「「ジェイルだって!?」」
「・・・ぁ、忘れとった;」
ベルギスは至極当然に言ったが、名前を知らなかった2名は目を丸くした。
「声と見掛けは同じなんやけど、こいつはシェインのリバース・・
 今は・・どっちなんや?;」
数秒の無音状態の後、机に伏した“青年”は言った。
「なんだよ・・取り込まれたかと思ったら・・・いきなり、疲れた」
口調から判断すると、ジェイルのままらしい。
「疲れる・・?」
「・・あのバカ・・・魔力からっぽで帰ってくるなってんだ。
 身は1つなんだ、負担がデカい・・・」
そのままの体制で、ジェイルは眠りに入ってしまった。

その場の雰囲気で、今日一日は休息にあてることになった。

→Next