MFG的SS「虚空の蒼玉」
第72話<KAI>

リアスを取り込んでクロウは 倒れてそのままどこかを『飛んで』いた。
そのまま どこかの庭にたどり着く。
「ここは…」
「ようこそ。イリヤガーデンへ」
目の前には一人の少女が 立っている。
周りを見渡せば見覚えのある顔が合った。
「アリス…?それだけじゃない。シルバーにヒスイたちまで…
 ここは一体?」
「まずは自己紹介するべきね
 私はイリヤ。ここは錬金石に宿る意思の集う場所なの」
リアスを取り込んだ衝撃によって意識が飛ばされたらしい。
「何故 自分が呼ばれたかって顔しているわね。
 貴方が錬金の戦士の総意を受けなければならないから。
 そして 新たな戦士が生まれようとしているから」
そう言いながら イリヤが指差した先にはシルバーとシェインが居た。
「シェイン?!それにシルバー…選択の時が来ていたとはね;」
「シルバーだけじゃないよ にーさん」
クロウの後ろから突如声がする。声の主はクロウがよく知った人物 リアスであった。
「リアス…何故ここに」
「私が呼んだの。ここは私が統治する異空間よ。
 そして…錬金の戦士の集う場所でもあるの」
「…シェインがここにいる理由と同じか…
 そしてシェインはそれを終えなければいけないだろう…?」
「そうね…シルバー 貴方の答えは?」
「…私は…私はシェインに 付いて行こうと思います。
 クロウ…すみません」
「誤る必要はないだろう」
この選択はシルバー自身が考え 導き出したもの。
だったらば 他者がとやかく言う資格は無い。
「決まったようね。今日はゆっくり眠りなさい
 また…明日から忙しい日々が貴方達を待っているのだから」
シェインとクロウ それとリアスの体が浮き上がる。
「これを持っていきなさい。アミュレットを!」
イリヤがクロウに投げつける。
「これは…鍵?」
「本物かは知らない。しかし 例え偽物でも探す手がかりにはなる!」
ゆっくりと体が上昇していく。
下がることも戻ることも許されはしない。
だから 三人は前を向き 歩き始めるしかないことを実感する。

時は止まらない。だからこそ時は進まず 永遠なのだ
人は後悔をする。だからこそ今を懸命に生きたい

日はまだ高い場所に 存在していた・・・。
その日に照らされてクロウ ジェイル アルタイルは寝かされていた。
それぞれ クロウはコローネに ジェイルにアルテアが
そして アルタイルにはツバキが付き添い見守っていた。


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