MFG的SS「虚空の蒼玉」
第69話<KAI>

「ツバキさん…?」
当のリアスは 誰のことだかわからない様子である。
「リアス…お前…リアスだけどリアスではないな?
 そしてそこの…貴女からもリアスの波動を感じられる」
アルタイルの言葉。そして兄であるクロウの言葉が冷たく掛けられる。
当然 戸惑うリアスに歩み寄るものが居た。
「無理も無いわね…。そして久しぶりね?」
その影は闇の烏女コローネ。話は止めることなく続く。
「待っていたのよ。貴方と再び出会うときに訪れるこの選択のときを。
 リアスの体は…貴方の言うとおりツバキのものよ」
その瞬間 リアスの体から魔力が流れ出す。
「何やっている!コローネ!結界も張らずに…
 “アクアジェネレート”!」
水の結界を展開し 流れ出る魔力を抱きとめる。
「…貴方の蒼玉を貸してもらえるかしら?」
コローネが アルタイルのほうへ歩み寄る。
それに応えるようにアルタイルは 二つの蒼玉を取り出す。
「どちらだい?」
「…こっちね」
周りの驚く様を無視するようにコローネは 片方だけを選び取る。
「さぁ ツバキ…貴女は元の体に戻りたいかしら?」
「…リアスは俺の体に入れることが出来るだろうが…
 この状態で行うのは厳しくないか?」
「ふふっ。クロウ…貴方なら知っているでしょう?
 私は闇の烏女よ。全ては契約のままに行うの」
その言葉にクロウは仕方ないというように肩をすくめ 引き下がる。
「…にーさん!私…私は!」
「大丈夫だ。コローネを信頼しろ…そして俺や仲間を」
クロウとリアスのやり取りが続く中も コローネの質問は続く。
「ツバキ…貴方は元の体に戻りたいかしら?」

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