MFG的SS「虚空の蒼玉」
第49話<フシギダネ石島>

宿の中で、皆は昼食をとっていた。
結局、あの後なんだかんだといいながらお昼時になってしまったので、
調べ者に言っているソウとムクラを除く全員で昼食と言うことになったのである。

「お、なかなかうまいじゃんか、これ」
「アルテアさん、料理上手だね〜」
「ふふふ・・・有難う御座います。」

いつもとは違う空気が流れる中、昼食が進んでいく。
なお、ジェイルはなかなかといいつつ3杯近くおかわりしたのは、別の話である。

皆はアルテアが食器洗いをしている中、
昼食前の話題へと戻して言った。

「そういえば、お前も見たこと無いな・・・そこの関西弁」
「見たことない・・・のは当たり前か。
 原理はわかったからな、お前が何なのかってのも」

そういうと、例の4次元マントから一枚のタロットカードを取り出す。
それは、【運命の輪】。

「タロットカードみたいなもん何や、シェインが正位置だとするならジェイルはリバース。
 片方しか現れられないから、シェインが居なくなってジェイルが出てきたってことやな。」
「え、でもそうすると・・・ベルギスさんのリバースも居るはずなんじゃないんですか?」
「封印したからな、その力は。このタロットカードを使ってな。
 もともと、どっちが表なのかわからんような状態やったかしな。
 それに、吸血鬼としての力を押さえ込まんと、ちっと危ないやろ。」

思えば、アルカースたちと合流した時はたいやきを盗んで追いかけられていたのである。
その前から、既に意思を持ち、自分なりに行動していた・・・
それならば、様々な過去があると言う事は容易に想像できるだろう。

「でも、それっと使えば凄く強くなるんじゃないの?」
「多分な・・・まぁ、それは切り札って事で、あんま使いたくないな。」

苦笑しつつそういうと、タロットを元の場所に戻す。
しかし、その表情はどこかはっきりとしないものがあった。

「(自分の裏の力に頼らないで戦えるようになる・・・そのためにも、魔術が必要なんや)」
 
 

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