MFG的SS「虚空の蒼玉」
第35話<フシギダネ石島>

日ももうすぐ落ちるかと言う、夕刻・・・・街の兵士集会場。
依頼を終えた一向は、洞窟での件を報告した。
そして、ゾンビ一掃の報酬として一人15万リンクスを手に入れていた。

「こんなにたくさん・・・・いいんですか?」
「あぁ、あれには私たちも手を焼いていたからね・・・
 そういえば、その老人とやらは太陽か月を模した首飾りを持ってはいなかったかね?」
「いえ・・・つけてはいなかったと思いますけれど」
「ふむ・・・・ならいいんだ、ありがとう」

集会場を出る頃には、既に日も落ち、星空と美しい月が姿を現していた。
空気はずっと澄んでいるはずなのに、星はまばらにしか見えない。
“元いた世界”とはやはり星の並びも違うのだろうか・・・
「それにしても、あの人の最後の質問・・・・首飾りやったか?」
「えぇ、なんなんでしょうね。」
「・・・・・
 太陽のロザリオ、月のアミュレット
 ふたつが共に宇宙(そら)の祭壇に揃いしとき
 新たなる力が生まれ、星空の力を持つ旅人達の思いを叶えるであろう」
「アルテア、何か言ったか?」
「いえ・・・少し頭に浮かんだものですから、気になさらないで下さい。」
昼の頃と比べるとすっかり静かになってしまった街を抜け、一向は宿に到着した。
昨日の突然の拘束に加えて再び森を歩かされた・・・
そのために疲れが溜まっており、シェインとアルテアが浴場を利用した以外、ほぼ全員がついた途端すぐに寝てしまった。

なお、前日にアルテアが刻んでいたにんじんはすっかり乾いてしまっていたことはいうまでもない。
 
 

 

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