MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第28話<フシギダネ石島>

「れ、霊体って言っても疲れることに変わりは無いのかぁ;」

身体の透けているシェインは、
今光たちから30分ほど送れてE.G.O本部を出発し、一路西へ向かっていた。

その経緯は、こうである。



E.G.O本部前、レイナとゼロの上に、突如人、と呼ぶべきであろう物がふってきていた。
しかし、その身体は透けている。

「くっ・・・こいつは何者だ!突然空から降ってきて・・
 実体が無いところを見ると生霊か!?」
レイナが剣呑な眼差しでシェインを見る。
「あぁー;ぁの、ご、ごめんなさい!!
 申し訳ございません!・・・?
 やっぱごめんなさいでいいのかなぁ・・?」
あまりにも突然のことで混乱したシェインはただひたすら頭を下げている。
「ぁ・・あの、シェインさん?」
ゼロが小さな声でささやく。
シェインはまだ、ゼロの上からは降りていなかった。
実体が無いだけ軽いのだろうが・・・
「あーーー;;ご、ごめんっ」
「私にはそれだけですか;まあいいでしょう・・・」
軽く汚れを払い、改めてシェインを見る。
「(ん・・・?)」
顔と声は変わっていないが、体つきが異なるのとなによりも少し透けている。
傍目から見ればかなり奇妙である。
「・・・まさか・・」
「え、うん・・その・・・正常?じゃ、ないか・・ハハハ;」

「そこの生霊!!」
すっ、と姫君の大剣が視界を過る。
反応が遅れたシェインではあったが、剣の先はするりと体を通り抜け、シェインは痛み一つ感じなかった。
「あ、レイナさん・・ですよね!?
 すいません;ちゃんと説明しますから落ち着いて下さい〜;」

―――

「なんじゃ・・・お前達は知り合いなのか
 しかし難儀よの、実体がなくては折角カレーを作っているのに食べられぬでは無いか」
説明を受け、レイナが口にした最初の言葉はそれだった。
カレー好きの知り合いとしては当然なのか、
その他の素性を聞いてこないところを見ると余り疑っていないらしい。

「そうデスね・・・ここはさっき西に向かったロュスさんを呼んできてもらっては?」
「うむ、それもそうだな・・・霊体では疲れなかろう。済まんがひとっ走り行ってきてくれ。」



回想終わり。

無論、一方的にだが、ゼロから本来の目的は聞かされている。
そのためにもこうやって走っている――走るというよりかは浮遊している感じに等しいのだが――
それでも、ちゃんと移動するためにはエネルギーを食うようである。


阿羅耶識の集団と帝国軍の戦いと思われる戦闘地域を抜け、
次に目にした戦闘風景では、見知った顔・・・クロウと、WIZ−DOMの集団による戦いだった。


・・・・・・・・・
付記
本編の方から、すこしぱうだぁさんの部分を引用してあります。
そのままだとわかりづらいですし

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