MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第19話<KAI>


WIZ-DOM本部では 戦闘終了から15分程度で気が付いたクロウは
クラリスから状況を聞き終えたところだった。
「・・・ゼロ達の元へ行きたいが・・・アリスフェアの修復が先か。」
研究室の奥にいるクラリスの周りの培養器に目をつける。
「クラリスさん!この装置借ります!」
宣言するなり返事が来る前に培養器のふたを開けアリスフェアと投入する。
荷物から蒼玉と無地の錬金石を取り出す。
「さて・・・汝が真の姿を現せ。ウォーターブロウ!」
蒼玉がゆっくりと紅く染まっていく。その姿は蒼玉と言うより紅玉に相応しい。
「準備はこれでいいか。・・・今行っても足手まといだし急がないと・・・。」
錬金石と紅玉も培養気に入れふたを閉める。
「システム起動。シンクロ開始ユニオンベース良好練成式展開 自立式展開異常なし・・・」
コンソールに次から次へと現れる情報を元に再練成を行っていく。
「この練成式は・・・ホムンクルスと同じかしら?」
クラリスが手元の資料を見せながらクロウを問いただす。
「そう・・・デスね。ただ一部の式が逆転してますが。」
そう言いながら式を完成させていく。
「これで後は4時間ほど放置すればよかったはず・・・。」
培養器から目を離しポケットから錬金石を取り出す。
「・・・繋がってくれよ・・・。『鍵』として・・・。」
錬金石の文字が光りだす。
Hisui-R
SILVER
「誰か…こちら クロウ。クロウ・バズ。誰か応答してくれ…答えてくれ…」
気が付かないのか人の元に無いのか反応が無い。
「くり返す。誰か…こちら クロウ。クロウ・バズ。誰か応答してくれ…答えてくれ…」
その時 SILVERと刻まれた錬金石の反応は消え Hisui-Rと刻まれた錬金石から応答が帰ってきた。
「こちら ゼロ。ゼロ=ヒュッケバイン。どうぞ。」

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