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何も見えない
辺りは暗闇に包まれている

ここは一体どこだ・・・
そして何故私はいる・・・

そうか、私は恐らく”元いた世界”にはもういない
現世では既に私の生きる道は無いと言う事・・・だろうか

それもまた面白いことだが・・・
ならせめて次の世では、力を
大切な仲間を、そして愛しき人を護れる力を、私に・・・
 
 
 
 

意識が遠のく中、暗闇を抜ける間際に一際明るい光を目にする。
夜空に輝く、天狼星の様に煌く星。
光が広がると同時に、一つの名が頭に刻み込まれる。
 

「アルタイル=フリューゲル」
 
 
 

          『“片翼の騎士”』
 
 
 

そこを抜けると、あたり一面は廃墟。
見覚えのあるような建物が広がっている。
 

それは、平穏な日々。
普通に学校に行き、
勉学に勤しみ、
帰ってきては宿題だけこなし、
パソコンに向かい、チャットに興じる。
そんな一日である・・・・はずだった。

しかし、今日は特別な日だった。
他のチャット参加者にも見えたという蒼玉。
それは、差別することなく私の元にも現れた。
その結果がこれでは、一体なんなのだろうか・・・・

この玉が何かしらの力を持っている、と考えるのが妥当だろう。
しかし、私にはそのようなことが解析できる手立てなどない。
違う世界に飛ばされてきたと言うのなら、ここの世界の技術を使えばある程度調べられるのではないか?
だが、この廃墟の中人がいる気配など全くありはしない。
 

ふと自分の体を見てみると、
左手には妙な手甲がついている。
なにやら、「夏の大三角」を模して彫られているようだが・・・・なかなかいいつくりだ。
背中には黒いマント。そういえば元いた世界でも身につけたことがあったな。
そして、辺りにあるひび割れた鏡で、自分の顔を確認してみる。
・・・なかなかいい男じゃないか。青白い長髪と言い、トパーズとルビーのオッドアイと言い。
現世比500%ってとこだろうか、いや、それでもまだ余裕で足りないかもしれない。
しかし、そう考えると
「元の私はなんだったのか?」と言うことになって非常に凹むので、これ以上は考えないことにした。

それにしても、改めてみてみるとどうやら星座に関係しているらしい。
ルビーとトパーズのオッドアイ
・・・これは小説で読んだことがある、白鳥座のくちばしにある二連星「アルビレオ」
右手薬指の銀の指輪にはめ込まれている、青い水晶に刻まれているのは狼座。
恐らくこの青い水晶は「シリウス」をイメージしたものなのだろう。
そして、手甲の鷲座・琴座・白鳥座。

頭上に星々の輝きのあらんことを、とはよく言ったものだ。
 
 

自分の観察はさておき、何でこんな廃墟の中に一人いるんだ。
そもそも、何故年のような場所がこんなに荒れ果ててしまっているのだろうか。
やはり少々情報収集するしかないか・・・
って、待てよ。
こんなに荒れているからには何か原因があるはずだろう。
その原因と言うのが、武装集団もしくはそれに近い戦闘能力を持っているとするなら、限りなく勝てる確率は低い。
この体はどうかわからないが、元の体では運動は苦手だったのだ。そう簡単に強くなれるわけがない。

せめて剣か槍があれば、一時期手ほどきを受けたことが会ったから何とかなる。
いや、余り自信がないが弓でも大丈夫だろう。
更にこれが違う世界だと言うなら、もしかしたら魔法と言う手段があるかもしれない。
だが、そんなことを考えていても、武器が急に出現したりするはずがない。
魔術だってある程度呪文が分からないなら使えないはずだし、超能力のように何か自分の中で目覚めたようなものもない。
・・・駄目じゃん。

そう思っていると不思議なもので、突然今まで感じられなかったものが見えてくる。
いや、見えるというより何かが脳内に直接注ぎ込まれたとでも言えばいいのか、膨大な情報が頭の中に入ってくる感じだ。

これが、力なんだろうか。
何か自分には別のオーラが感じられてくる。
身体に纏わりついている・・・さっきからあったんだろう、この身に纏う力は。
ただ、見えていなかっただけで。

それでも、他にもわかった力。今なら何でもできるような、そんな感じ。

試しに、剣を脳内でイメージしてみる。
そうすると、自分の知らない呪文が次々と・・・しかも自分の口から紡がれて行き、
次の瞬間には魔法陣の中から一振りの剣が現れる。
鞘から抜いてみると、間違いなく両刃で細身の長剣。
先ほどから「見える」ようになった魔力の力も、その剣からは感じられる。
どうやら何かの召喚獣の類が憑いている様で、それによる魔力であるようだが・・・
それにしても、なかなか美しい剣だ。
だが、何処か刃に影を帯びている・・・シャドゥソード、そう名づけることとしよう。

そして、再び念じると剣は消えてゆく。
どうやら別の空間から、魔法陣を媒介に取り出しているようである。

この調子なら魔術も使えるのだろう。
これなら襲われてもある程度大丈夫・・・
そう考えると、この場をあとにして歩き始めた。
 
 

もう迷わない。
この手に溢れる力。
それだけがあれば、恐れるものはない。
そしてそれに伴って、
自分自身に初めて自信が持てるようになっていくのがわかる。
だから、進んでいく。
自分のやるべきこと、あるべき所を探すために。

私は・・・綺羅星の騎士、アルタイル=フリューゲルなのですから。
 
 

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