MFG的SS「虚空の蒼玉」
第53話<KAI>

「ベルギス…だっけ?この世界をどう思う?」
「さぁな。この世界から元の世界に帰れれば…だけやないし」
「…ふぅん」
魔術は精神力だけでなく体力も消耗する。
なにより新たに増えた仲間?を歓迎するため 庭でバーベキューをすることになっていた。
肉を買い込み 野菜を買うため八百屋に行こうとする二人を
ソウとムクラが 見つけて追いかけてくる。
「ベルギス!夕飯の買出しか?」
「そっちの おちびちゃんは?」
「私はちびじゃないっ!」
ムクラに対し 怒ったリアスが蹴りで答える。
が 体重の乗っていない蹴りは軽く受け止められる。
その間にも ベルギスはソウに今日在った出来事を軽く伝える。
「…裏も集まり始めたのか…。調査を早くする必要があるな」
「夕飯の買出しは終わったんだよな?」
ムクラの思い出したような質問に リアスが返す。
「肉は買ったから 後は…野菜だね」
「「食べないから要らない」」
2人の即座の切り返しに 怯んだリアスの隙を見て
ムクラとベルギスが足早に宿へと帰っていく。
その息の合った様子を見て ソウとリアスは顔を合わせ笑い出す。

そして きちんと野菜も買って宿へと帰ってゆく。
 

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「力のある人が残っていて良かったですね」
「ベルギスが居たら 火をつけるのも楽なのにな」
確かに ベルギスが昼間特訓して使えるようにしたのは火属性魔術。
だが 使い慣れていない時に何度も魔術を使えるわけではない。
なにより 魔術の特訓を始めてから一日しかたっていない。
これ以上の魔術の使用は 命の危険が関わってくる。
「お前ら 魔術が使えなかったやつがよく中級魔術まで出せたな」
網をセットして 炭に火をつけた頃 買出し組が戻ってくる。

「おかえりなさい」
「ただいまー。あ…ねーねー みんなの持ってる玉の色って蒼いの?」
「コローネの玉は 黄色かったな」
「蒼玉以外にも宝玉が存在するのか?」
ソウの疑問は ジェイル以外の疑問を代表するものだった。
それを受けて アルテアが肉などを焼く横でリアスはゆっくりと説明し始める。
世界には 自分たち以外にも自分たちと同じ世界から迷い込んでいる人がいるということ。
それは 必ず宝玉は持つが蒼とは限らないこと。
クロウの持つ宝玉の場合 蒼だったものが紅く変化したこと。
それと同時に自分の玉が 紅から蒼に変化したこと。
錬金石の意思達ももともと 同じ世界から来た人だったということ。
彼らも蒼以外の宝玉を持っていたこと。
そして 蒼以外を持つものはリバースの存在だったということ。

「…つまり リバースかどうかは宝玉の色でも判断できると?」
「ちょっと待って。クロウさんが最初に見せたとき蒼かったよな?」
「にーさんは幻術使えるから多分 騙したんだと思う…」
「ちょっと 全員玉の色の確認をしようか」
アルカースの提案に アルテア以外全員が荷物をあさる。
その様子を見ながら リアスはベルギスとアルカースの荷物を勝手にいじり始める。
「な 何するのや!」
「あ やっぱりあった。」
リアスの手には 二つの錬金石があった。
KOHAKU
ILIYA
「やっぱり…一日で魔術が使えた原因はこれかぁ」
「そんなものはどうでもいいから とっとと宝玉を見せろ!」
ジェイルの仕切る声に それぞれの玉が表に出される。
 
 

 

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