MFG的SS「虚空の蒼玉」
第38話<フシギダネ石島>

シェインが戻ってきた1時間ほどあとに、夕食の香りに誘われたように他の皆も続々と宿屋に帰還してきた。

アルカースはムクラと闘技場に向かい、
通常ランクを命中率80%以上の成績で通過できたものだけが参加できる対戦形式のトーナメントで、アルカースが優勝。
トーナメント賞金とあわせて、45万リンクスをゲットしていた。
ちなみに、ムクラは前回同様見学だけだったらしい。

ベルギスはと言うと、市場で商人根性を発揮。
本人がなんに使うのかわからないようなものまで、様々なものを持ち帰ってきていた。
その中には古代の魔術書をはじめとし、どこかで見たことがあるような材質不明の石まであった。

ソウは、気になることがあったので近くの図書館で探し物。
先日アルテアが何気なく言っていた詩が、ある伝承の中に存在するものであったことが確認された。

シェインの活躍については、もう語る必要もないだろう。

こうして各々実りの多い一日の土産話を聞きながら、思えばこの街に来てから初めての夕食をとっていた。

・・・しかし、何も話が出ない人が一人いる。
「そういえば、アルテアは何やってたの?」
「・・・実は少しだけ記憶を取り戻しまして、どうやらここに来るまでは別のところにいたらしいことと・・・
私に似ている男の方と、一緒にいた美しい女性の方と・・・そのお二人と別れてしまったような気がしてきたんです」
「似ている・・・・と言うと双子の兄弟か?」
「私より多分年上だと思いますので・・・・それならば多分お兄さんだと。
 そして、その方が剣を持っていらして、もう一人の方は大きめのスケッチブックを」

アルテアと石島が関係していることを知っている3人にとっては、ますます疑いが強くなった。
その別れてしまった人と言うのが、もしかしたら石島なのではないだろうか?
もしそうだとするなら、いろいろな意味で辻褄が合う。
しかし、もう一人の女性と言うのはなんなんだろうか。
そこにいたときに知り合った人物なのか、
それとも、石島と関係あるならMFG関係者なのか・・・・

新たな謎を残しながら夕食を終えた一同は、
「多すぎて何をもろうてきたか思い出せないんや」
と言うベルギスの戦利品を並べてみることにしたのだが・・・・
広げてみると、そこには皆の想像以上に様々な品が並んでいた。
 
 

 

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