MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第65話<KAI>

「…お互い動きにくいか…」
「だが 私はお前を倒す!そしてカレー帝国の臣下となるのだっ!」
クロウとレイナ。この二人の動きも周りの冷気によって鈍くなりつつあった。
「…まともな決着を望むか?」
「何のことだか判らんが 決着はつけよう。さもなくば既に倒れたものが浮かばれぬ」
「…」
ちらりとフレアたちを見てから クロウはレイナの言葉に頷く。
「そうだな、ならば力を貸せ。空間干渉を行うしかなさそうだ」
「今は敵であってもか」
「敵?それは 既にこの原因を作り出したものただ一人と違うか?」
周りを見る限り地球軍極星帝国軍に関係なく凍り付いている。
このままでは決着をつける前にクロウもレイナも凍てつくだろう。
「ふむ…それも一理あるかもしれん。じゃが 我らにも意地があるのじゃ!」
「せめて決着だけでもつけたいからな…俺に向けてエネルギー波を撃て」
「…そんなものを決着といえるわけが無い!」
「蒼玉でエネルギーを開放して周囲を一度吹き飛ばす。
 理論上でしか話されたことは無いが 試す価値はある」
既に体の一部も凍り始めている。
レイナが決断を迷う暇は 無いだろう。
「…アリス。今一度力を貸せ」
クロウの言葉に応じるようにアクアブレイカーの纏っていたオーラが消えていく。
「仕方あるまい。ゆくぞ!必殺!カレー光線!!」
レイナの持つ魔剣からカレー色というべき光がクロウをめがけ発せられる。
「蒼玉よ…我願うは空間術式の破壊也てはその力に寄りて
 新たな術式を成す!“ブレイクダウン・フレア”!」
レイナの放った光が全て蒼玉に吸い込まれ輝きだす。
そのまま蒼玉がセットされたままのブレイカーソードから
無数の炎が放たれ クロウとレイナを取り巻くように一定範囲の
冷気を全て 『破壊』していく。
「…これで お互い動けるな。アリス…感謝するよ」
クロウの言葉を理解するように
ブレイカーソードは再びオーラを纏いアクアブレイカーへと変化する。
「ふむ。では 第2ラウンドじゃ…ゆくぞ!」
「おぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁああああ!」
クロウは羽を展開し 全身を蒼いオーラでまとう。
「…自我を失ったか?まぁよい。改めてレイナ・アークトゥース参る!」


クロウ 蒼玉により暴走のままレイナと交戦


「…マスターの命令…守らなきゃ…いけない…のに」
SHINEの体も凍り始めていた。
「武装…錬金」
体の一部が凍るたびに 手だけを武装化して破壊しながら本部へ戻っていた。
「後…すこし…」
そのSHINEの上を 影がよぎる。
体が凍るのも忘れ その影をSHINEは 目で追いかけた。
「…マスター…今の…怖い…」
そのまま全身が凍っていった…。

SHINE 本部前で凍結により行動不能


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