MFG的SS「虚空の蒼玉」
MB隊編
第62話<フシギダネ石島>
信長の得物は・・・槍。 武器の重心・リーチを考えると、相手のほうが有利ではある。 だがそんなことは些細なことだ。 この斬艦刀の前では。 しかし、唯一問題があるとすれば・・・ 「もっと真面目に“シャイニングブレイカー”で剣の練習しとくんだったー;」 必死に敵の攻撃を受けるゼロだが、その様子はどこかぎこちない。 普段PSIによる電撃を攻撃手段としているため、剣の練習は余りしていないのだ。 そんな彼と、かの戦国武将信長とでは、雲泥の差があるようである。 信長はそんなことを知るわけもなく、先ほどから受けに徹している相手に苛立ちを隠せない。 「先ほどの気合はどうした、その程度かっ!」 手加減無しで連撃が飛んでくる。 それを全て受けているゼロも凄いといえば凄いのだが・・・ 直線的に来た相手の槍の一撃を剣で受け、そのまま押さえつけるように力を加える。 そしてそのまま互いに引かず、硬直状態に入る。 信長の方が押し気味であるのは明らかだった、しかし・・・ 「・・・ここを任されてる以上、負けてられるかぁっ!」 気迫と共に、敵の槍を押しのける。 その纏っているオーラは、先ほどまでの人物とは違うかのように鋭く・・・ 剣の構えも、しっかりと平正眼の位置だ。 そして何より、眼の色が違う。 それを見据え、信長も新たに槍を構えなおし、こちらに加速。 「これは面白くなりそうだな、はぁっ!」 「不退転・・・それが我が流儀!」 信長の槍を切り払うように受け流す。 次の瞬間、ゼロがいたのは信長の右側。 とっさに反応するものの、剣から迸る気迫は、信長の動きを遅らせるには十分だった。 そして、その一瞬が命取りとなる。 「我が一刀は雷のきらめき! 斬艦刀、雷光斬り!」 目にも止まらぬ速さで、信長の後ろへと通り過ぎる。 まさに一瞬の勝負だった。 「我が斬艦刀に・・・断てぬものなし!」 ゼロが斬艦刀を振るうようにして鞘に収める。 その後ろでは、信長が地に伏すように倒れていた。 そして、その一瞬後 「あれ・・・いつの間に終わってたんですかね?」 先ほどの引き締まったオーラを放っていた男の姿は、 微塵も感じられなくなっていたことを付け加えておかなければなるまい。 戦況 ゼロ、織田信長に勝利(信長死亡 |