MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第55話<フシギダネ石島>

「私だって極星帝国軍として・・・行きま」

シェインの意気込みは、そこで止められることとなる。
先ほどフレアたちが出て行った窓から、
今さっき外で声を上げたばかりのレイナが乱入してきたのだ。

そして入ってくるや否や、シェインの持っていた剣・・・SHINEを没収する。
あっけに取られるシェインに、レイナがまず口を開く。

「おいシェイン、お前が剣を使うなど聞いていないぞ」
「いや、これはさっき手に入れたので・・・」
「聞けシェイン。剣と言う物は、使い手が未熟では切るべきもの以外のものまで切ってしまう。
 お前は弓使い・・・無理に剣を使う必要などない。」

レイナが諭すように言うと、シェインがそれではと、シルバーを武装錬金させる。

「それじゃあ、私はレイナさんを援護します。」
「うむ・・・その方が良いじゃろう」
「だが、その前にSHINEは返して貰おうか。
 SHINE、武装連金解除!来い!」

レイナの手から剣が離れ・・・クロウの近くで、元のホムンクルス形態に戻る。

「マスター・・・」
「・・・悪かったって;
 だが、この今の状況ではWIZ−DOM本部にこの事を伝えるのが先だ、SHINE、できるな?」

SHINEはうなずくと、名残惜しそうに本拠地目指して走っていく。
外の戦闘の中をくぐるようにして・・・



外の戦線では、先ほど分隊から別れてきた竜隊2名を、
妖刀村正と天叢雲剣・・・ライトと美鈴が討ち果たしているところだった。

遠くから確認していたために、本隊とは少し離れた位置に、二人はいる。

「案外あっけなかったが・・・アシュレイは?!」
「栞ちゃん、大丈夫でしょうか・・・」
「とりあえず、本隊に戻りましょう。」



当のアシュレイは、竜と共に本隊に向かってきた人物・・・ハンニバルと交戦体制に入っている。

「アルカードは・・・いないのか」
「残念ながらアルカードの出る幕じゃないわ。
 あたし達だけで十分ってコト」
「なめおって・・・」

ハンニバルの剣が振り上げられる。
それと同時に、轟音を立てて、彼の背後に斧が迫り・・・直撃。
飛んできた方向にいたのは、もちろんリンクスだ。

「やったか・・・いや、まだだな」
「ちょっとー、あたしに当たったらどうする気だったのよ」
「・・・お前はこれくらいでは死なない。
 それより、こいつはまだ生きてる・・・何とかできるやつを連れてこないと駄目だ。」

わけのわからない状態に陥っているアシュレイをつれ、
ダークロア部隊も、本隊の方へ合流するために向かった。


一方、その本隊ではある男を探すものが二名。
石化封印されていた“ランスロット”と、
ギアンサルと共に戻ったはずの“リン・グラフィアス”。
どちらも探しているのは・・・アルタイル=フリューゲル。

「ええい、アルタイルは・・・アルタイルはどこだぁッ!」
「ここにはいないの?・・・それとも、参戦していないのか。」

彼を探す二人の前に、二つの影が立ちはだかる。
美鈴が心配していた“鹿島栞”、そして先ほど合流したばかりの“フレア・シュナイダー”。

「アルタイルさんは残念ながら来てませんね、かわいい弟君なら来てましたけど」
「それより・・・貴方達の相手は私達で十分です。」

フレアはリンの前へ、栞はランスロットの前へ、それぞれ構える。

「炎対炎ってとこかしら・・・面白そうね」
「鹿島神宮をめちゃくちゃにされたときのことも、忘れてませんよー」

こうして、各地で交戦体制が整いつつあった。
少しづつ・・・戦いの様相がはっきりとしていく。



戦況
レイナ&シェイン、クロウと交戦
ランスロット、栞と交戦
リン、フレアと交戦
ハンニバル、一度殺された後再生中につき放置される
美鈴&ライト、リンクス&アシュレイ、本隊援護へ進軍中

極星帝国軍:竜兵二騎死亡、ハンニバル半死(再生中)

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