MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第37話<アキマサ>

「……………………」

カレー祭りをしている所よりほんの少し離れた場所にゼロはいた
正確にはカレー祭りの会場であるE.G.O本部の集会場兼、模擬戦場の場所を出て
入り口近くのロビーに居るのだが


「今夜は星が出ませんか………」
そう言って窓から空を見上げる

窓の外は暗く、雨が降っていた……


「そういえばクロウさんはE.G.Oの研究室にこもりっきりだなぁ…」

カレー祭りの為に煮込んでいたカレーなどをE.G.Oの本部に移した後に
新たなる力が生まれた感じはあった、新しいホムンクルスでも作ったのだろう
おそらく今は錬金術で微調整なり武器を作るなりをしているのだろう


ライトは今ごろ会場の中だろう
アーチェが私もカレーを作ると言ったときは急いでライトとクレスが止めていた
チェスター秘伝のマーボーカレーはまだ習っていないのだろう
2人が知っているかは知らないが





「どうしたの? 1人で」
「ん………光さんですか」

ゼロが後ろを見ると光が立っていた

「望がさっきようやく到着したわ、他のE.G.Oのメンバーも本部所属はほとんど集まったわ」
「そうですか………」

そう言ってゼロはまた窓の外を眺める


「空を見てどうしたの?」
光がたずねる

「いえ………そういえば真由美さんといぶきさんは?」
「あの2人とはまだ連絡が取れないわ、独立して動いているから中々連絡がね」

そしてまた沈黙する

遠くにはカレー祭りで騒いでる人の声と雨の音が聞こえる

「光ちゃん、言いたい事は言っておけば?」

新たなる人物が現れる、結城望……精神感応能力者でありE.G.Oのエース
また光とは従姉妹同士である

光は溜息を一回つくとゼロにリストバンドのような物を投げる
ゼロはそれを受け取ると何かを考えてから右腕につける


「本当にそれを使う気? 使ったら………」
「素直に『心配だ』と言ってくれたほうが激しく嬉しいのですけどね〜」
「2人とも誤魔化そうとしても私が居る事を忘れてませんか?」


そう言って3人は苦笑する


「じゃぁ本心を話しますかね、使う気は無いですよ、一応ですけどね」
「そう…………………え〜と今日は……」
「光ちゃんはお礼を言うのが苦手ですからね」
「望っ!」


今度は3人で笑う


「単刀直入に言うわ、今日はありがとう、おかげで色々助かったわ」
「当然の事をしたまでですよ、これは何かを守る為の力ですから」


そして、それじゃとカレー祭りの会場に戻ろうとした光をゼロは呼び止める


「そうそう、レイナさんと話したんですけど……今はカレー祭りでこんなですけど食べ終わったあと色々問題が出てくるじゃないですか、向こうは今回の事で被害が大きいので今回は撤退するそうですけどやっぱりある程度の決着は向こうも望んでいるそうです」


そこで言葉を一度切る、そして続ける


「ここからは私から提案した事ですが………お互いにエース級メンバーを約18人……私の能力によって空間の狭間を開きそこで戦い決着をつけようと思います…」





そしてカレー祭りは終盤に差し掛かっていた


→Next