MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第36話<フシギダネ石島>

「ふむ・・・魔力も残り少ない、か。」

翼をしまうために、E.G.O本部屋上に降り立つ。
ヘリポートもあり、なかなか広い屋上である。

地に足をつけると、同時に翼を収納。
次いで、シャドゥキャリバーも空間内に戻す。
代わりに、一枚のタロットを取り出して。

「なんとなくこれの仕組みがわかったかもしれませんねぇ・・・
 力を引き出す方法じゃ無いと思うけど、まぁ魔力も少ないですし、試しますか」

そういうと、おもむろにタロットに微小な魔力を注ぎ込む。
すると・・・
手甲にある白鳥座の紋章が光ると同時、タロットカードの絵柄が反転する。
そしてその絵も、剣を持った男の姿から、一回り小さく、銃を携える少年の姿に変化する。

何より・・・絵柄通り、アルタイルの姿も変わっていた。

「やっと使い方がわかったのかぁ、兄さん。
 ずっと忘れられたままかと思ったよ;」

少年はそういうと、自分の身体を確認する。
アルタイルの服装とは違って軽装にまとめられ、
ホルスターにはリボルバー、ベルトには弾入れがセットされている。
それだけではなく、身長も10センチほど小さくなっているのだ。

「わー、すっかり兄さんとは変わってる。
 やっぱり兄さんの力は凄いんだなぁ・・・まさか身体ごと変わるなんて」

感心したように呟くと、下ではカレー祭りが行われていることを思い出し、
少年・・・シグナス=フリューゲルは、夕食へ向かうために長い階段を駆け下りていった。



→Next