MFG的SS「虚空の蒼玉」 MB隊編
第21話<KAI>

-破壊の力 癒しの力 光と闇 対に成る物は必ずある。
対に人は安堵を覚える。故に例外を人は恐れる…。-
〜ゼノ・リーリス著「精神に関する魔術研究」より〜

「………気持ち悪…」
クロウはその味と体に起きる変化の影響をまともに受けダウンしかけていた。
その横では無言のままホムンクルスシリーズがクロウの様子を的確に観察していた。
「観察されるのは仕方ないとして…何も出来ないのか…?」
ダウンしかけながらも遠くの力の動きが、わずかに感じられる。
恐らく 先ほどの通信妨害を起こした張本人レイナであろう力は クロウに更なる圧迫感を起こす。

「あ 安心してちょうだい。死んだらちゃんと脳ミソ入れ替えて生き返らせてあげるわ」
「…(絶対に死ねない)」
クロウの心に堅く決意された決心だが 現状を考えると難しいようである。
「紅玉よ…我が名の下に汝が力を示せ…パワーシャウト!」
荷物からゆっくりと 取り出した紅玉の力で一定の範囲外の力の流れを遮断する。

その様子をも すべて忠実に記録していくホムンクルスを横目にクロウは
部屋に設置されていた棚から 一冊の本を手に取る。

エレクトラ・ウィル著 魔術指南 水の章
MJに耐えながらの水魔術の習得が始まった…。

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